前世研究で知られているブライアン・L・ワイス博士。
今回はワイス博士の「前世療法」の本をレビューしてみます。
目次
ワイス博士の前世療法の口コミ
ブライアンLワイス博士は、エール大学の医学部卒、精神科医として立派なキャリアを持つ医師。
輪廻転生や霊的なことには興味を持たないリアリストでしたが、一人の女性患者、キャサリンとの出会いで、ワイス博士の人生が一変します。
ワイス博士は、トラウマを癒す治療として催眠療法を用いていましたが、キャサリンは催眠を行っている最中に突然前世を語り出したのでした。
この本では、ワイス博士とキャサリンの出会い、定期的なセッションの内容を振り返りながら、ワイス博士自身が輪廻転生を受け入れていく過程が書かれています。
ワイス博士は「前世」という分野においては、日本でも有名な人かと思います。
前世療法のCDも出ていますからね。
そんなワイス博士が輪廻転生を信じるようになった過程が詳しく書かれており、とても興味深い作品でした。
何よりも、キャサリンという一人の女性が86回も輪廻転生してきた、という話、その1回1回の人生について詳しく書かれている点で、輪廻転生を理解する上では非常に勉強になる本でした。
キャサリンの転生歴を以下にまとめました。
86回転生した女性の転生歴
先史時代
場所:洞穴
洞穴に居住している。
古代エジプト
女性で、遺体を埋葬する仕事をしている。
紀元前1863年
名前:アロンダ
職業:王室に使える人
25歳の彼女にはクレアストラという娘がいた。クレアストラは今生ではキャサリンの姪っ子のレイチェルにあたる人物。(2人はとても親しかった)
紀元前1536年
名前:???
父親がペルセウスという名前で、小児科医のエドワードにあたる人物。
エドワードは今のキャサリンの人生に存在する人物で、キャサリンにワイス博士に会うように促した。
同時代にはワイス博士の前世にあたる人物も存在し、キャサリンはその人物を慕っていた。
1473年
場所:オランダ、キリスタン地方
名前:ヨハン
敵に首を掻き切られて21歳で亡くなる。
この敵は今生でキャサリンの恋人であるスチュアートの前世にあたる人物だった。
1700年代
大きな屋敷の女中。
貧しく、奴隷として働かせられていることに不満を持っている。
1758年
場所:ウクライナ
父親が無実の罪で殺された少年。
そのせいで、生活が厳しくなり、結果として長生きできなかった。
1873年
名前:アビー
黒人女性で、プランテーションで働く。
60代でなくなる。
第二次世界大戦中
名前:エリック
ドイツ人。戦闘機に乗っていて、命を落とす。
この他の転生
代表的な人生を列挙しましたが、キャサリンは肉体を持って、86回も転生しています。
詳しく語られた人生以外にも、様々な人生があったようです。
- スペイン人:名はルイザ。売春婦をしていた
- モロッコ人:少年で、若くして病気で亡くなった
- ハイチ人:魔術師の一味だった
- 日本人:男性の学者。本や教育に携わっていた
ワイス博士に話した転生だけでも、3千年くらいの長さがあります。
先史時代の話もあるので、その頃を入れると、
1873年→第2次世界大戦の時代の生まれ変わりを考えると、死んで割とすぐに転生したようです。
転生スピードは魂によって個人差があるようですね。
86回というと多いと感じますが、
キャサリンは86回転生しているのに、輪廻転生や自分が催眠療法中に喋った話などに興味を示しませんでした。
なので、あまり霊性が発達していないように感じましたが…
もっと霊性が進んでいる人、仏教でいうところの解脱に近い人は何回転生しているのでしょうね?
調べ次第、追記します。
マスター達からの助言
この本で特筆すべきは、マスターからの助言です。
マスターというのは、人間よりももっと高い次元の存在。(中間生にいる存在です)
ワイス博士は催眠療法中、キャサリンとは明らかに声色が違う人が現れ、マスターの存在に気づきます。
そして、人生についての助言を授けられます。
助言を一部抜粋しました。
どんな状況でも人を殺してはいけない。人間には人の命を奪う権利はない。
人を殺した人は生き延びても、それなりの報いを受ける。
死んでも、次の人生は非常に苦難に満ちたものになる。傷つけた者に対して償いをしなければならない。
命には終わりがない。人は死なない。新たに生まれるということも本当はない。
異なるいくつもの場面を通り過ぎていくだけ。
大切なのは忍耐とタイミング。すべてのことに時があるから、人生を焦ってはいけない。
なぜこの世に生まれないといけないのか?という究極の質問についての回答もありました。
肉体を持たなければ学べないことがある。
人は肉体を持っている時、痛みを感じ傷つくことができるが、霊魂の姿でいる時は、幸福感と安らぎの感覚しかないから。
肉体を持っているときだけ、人間関係を体験できる。
この助言通りだとすると、人間は傷つき、学ぶために生まれてくる、ということになります。
確かに人生は何かと辛いことが多いですよね。
辛いことのほうがインパクトが強いから記憶に残りやすい、とも言えますが、それは学びを得るためなのかもしれません。
マスターの助言の中には、「人類の未来」に関するものもありました。
聞きたいような、聞きたくないような、という話ですが、ワイス博士は希望が持てるような回答をもらっていました。
なぜワイス博士が輪廻転生を信じたか?
ワイス博士はアカデミックに精神を研究してきた医者で、スピリチュアルなことについては関心がなかったようです。
キャサリンの言葉を聞いても最初は半信半疑、疑いのほうが強いほどでした。
しかし、マスター達からワイス博士の息子や父についての話を聞かされたことが、信じるきっかけになったのでした。
キャサリンの口から「あなたのお父さん、息子がここにいます」と言われたのです。
娘の名前を父の名前からとったこと、息子を”1千万人に1人”の珍しい難病で亡くしていること。
それは、キャサリンには絶対に話していない、とてもプライベートな話でした。
亡くなった息子の魂は両親のカルマを返すために自ら犠牲になったこと、更にワイス博士に「医学の分野には限界がある」ことを教えたかったのだそうです。
息子さんの魂は非常に発達した魂だった、とのことで、この点から行くと、親よりも子供の方が発達した魂を持っているというのは大いにある話だと思いました。
前世がカートコバーンとか早々ない
ワイス博士も言及していましたが、キャサリンはびっくりするくらい、”名もなき普通の人”の転生を繰り返していました。
奴隷とか売春婦とか、どっちかというと辛い人生が多いのが悲しくなります…
「前世が貴族」などと言う人がいると、周りの人を辟易させるので、「前世」という言葉自体が敬遠されているような風潮がありますが、やっぱり大半の人は普通の人生ですよね。
前世がナポレオン、カート・コバーンなんて早々ないんでしょうね。
では、そのような有名人は大人物の人生を繰り返しているのか?それとも地味な人生と派手な人生を交互に味わっているのか?
そのような疑問が生まれました。
まとめ
ワイス博士の前世療法はワイス博士が医学の限界を認め、輪廻転生に深く関わるきっかけを書いた作品でした。
医師の方は人の死に立ち会うことが多いため、不思議な現象を間近で見ることが多いようですね。
日本だと医師の矢作直樹先生がそういった本を出版されていますね。
話が逸れましたが、非常に興味深い本でしたね。
ジェームズライニンガー君の話もそうですが、あえて全く「輪廻転生」を信じないような人の元に、きっかけになるような出来事がもたらされるようだと思いました。
ジェームズ君の父はクリスチャンで全く輪廻転生を信じていない人でしたので。
そのおかげで徹底的に事実を調べたという経緯があるそうです。
「前世療法」には続編があり、続編ではキャサリン以外の人の輪廻転生の経験について書かれています。
様々な人のサンプルを知ることで、より深い知識が得られるので、そちらについても追々まとめていきたいと思います。